以前の記事で書いた「危険物取扱者」の試験を実施している消防試験研究センターでは「危険物取扱者」とは別に「消防設備士」と「予防技術検定」という試験も実施しています。
「消防設備士」は消防設備の工事や点検をするために必要な資格で、消防設備の工事や整備、点検をする会社に勤務する人が必要とする資格になります。
「予防技術検定」は消防署で予防業務を的確に行うため必要な資格です。
つまり予防技術検定は消防署で仕事をしていないと、全く役に立たない資格なんですが、大卒で受験資格がある場合で、消防士になろうという人は採用が有利になるかもしれません。
この記事で、私が受験して合格率100%の勉強方法を紹介します。普通に高校を卒業したり、大学を卒業している人なら、この勉強方法で合格できます。
検定概要
試験は毎年12月に各都道府県で実施されていて、どこでも受験が可能。受験料は5,700円。(令和3年度現在)合格しても申請料などは特に必要ないため、写真代や郵送料含めても7,000円以内で受験可能。
受験区分は以下のとおり
区分 | 内容 |
防火査察 | 立入検査、防火管理、違反処理 |
消防用設備等 | 消防同意、消防設備等、建築基準法令 |
危険物 | 危険物の性質、危険物規制 |
大学の理工系・法学系卒した人、消防学校で講習を受けた人等が受験資格があります。
予防技術検定に合格するだけでは、予防技術資格者にはなれません。合格して実務経験(消防署で働くこと)を積んで晴れて予防技術資格者になれる。つまり、一般の人が検定に合格したところでって話。
受験した経緯
受験した経緯は、以前消防署の予防課という部署に配属になっていました。予防課は実際に火災や救急に出動するわけではなく、建物を建てた時の検査やガソリンスタンドを開業するときに設置してもいいですよという許可をしたりする部署になります。
当時は予防課で建物の審査などを担当していて消防用設備を受験、合格しました。しかし再度、予防課に配属になるときは管理職での配属の可能性が高く、危険物も教養のために受験することにした。また11月12月は例年業務が落ち着いているので受験することに。
受験対策
受験対策に使用したものは以下のとおり
危険物六法(2019年版) 2,750円
予防技術検定集中トレーニング(2訂版) 2,530円
いずれも東京法令出版から出版されています。2冊とも中古で100円で購入。内容は最新ではないんだけど、こういう試験は法令改正されたタイムリーな問題が出ることは稀。無視して安い中古で十分という判断をしました。
結局11月も業務が忙しく、試験は令和2年12月6日でしたが、勉強始めたのは2週間前の11月22日。この日から1日1時間の勉強時間を確保して、取り組みました。
一応、消防署の予防課の時のベースがあるんだけど勉強方法は次のとおり。
- 危険物六法の裏から開いて「法令・実務の要点解説」の熟読。
- 予防技術検定集中トレーニングの問題を解く
- 間違えた問題、わからないことを危険物六法の条文、解説文を読む
以上を繰り返す。このスタイルで受験日を迎えた。ちなみに以前受験した消防用設備もこの勉強方法で合格しています。
試験会場について、他の受験者と話をしたんだけど受験者のほぼ100%(現地での俺の調査)が消防職員でした。そりゃそうだよな、取っても役に立たないんだから消防職員以外は受験しないよな。前述したとおりで、そもそも検定に合格しても、予防技術検定に合格しただけで予防技術資格者にはなれません。
受験当日
受験時間は2時間半で途中退出も可能。私は他の消防設備と査察の問題も目を通しておきたかったから、2時間半みっちりいました。最後まで残っていたのは60人中5人ほど。試験官ごめんね。
結果
年明けて令和3年1月13日に発表がありました。結果は合格。
令和2年度の受験者数、合格者数などは以下のとおり。
検定区分 | 受験申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
防火査察 | 5,027名 | 4,668名 | 3,127名 | 67.0% |
消防用設備等 | 2,554名 | 2,347名 | 1,102名 | 47.0% |
危険物 | 1,957名 | 1,817名 | 1,084名 | 59.7% |
合計 | 9,538名 | 8,832名 | 5,313名 | 60.2% |
難易度的には危険物取扱者の試験に毛が生えた程度。少し勉強すれば合格することができます。
最近は合格率も6割程度で推移しているが、少し前までは消防用設備等は3割程度の合格率でした。
結果が示すとおり消防士の4割は頭の中まで筋肉でできています。もう少し勉強しろよ。上司や先輩に半強制的に受験させられている消防士も多いから、この結果は仕方がないんだけど。
結論
消防士以外の人は職場ではほぼ生かすことができないので、全く意味がない。勉強時間と時間と、受験料、交通費のムダ。つまり人生の無駄。資格マニアでもない限り全くオススメできません。消防士か消防士になろうとする人には、オススメの資格になりますが、一般の人はマジで無意味。
消防士で検定に合格したい人は
- 予防技術検定集中トレーニングの問題を解く
- 間違えた問題、わからないことを消防基本六法の条文、解説文を読む
この勉強方法で間違いなく合格できる。今年も検定まで2ヶ月を切ったけど、合格に向けて前述の勉強方法がオススメです。
コメント