そろそろ消防職員の採用試験も終わり、4月からの職場環境がどのようなものか不安になっている人も多いと思います。そんな人に向けて、田舎の消防を20年ほど続けている「98」が心構えをお伝えします。
4月から半年間は消防学校に行って初任科という課程に入るんだけど、学校の生活については別で記事にしようと思っているので今回は、消防職員になるための心構えだけを紹介します。
理想との乖離
消防士になった人の全員が消防士に憧れを持って熱い気持ちでいるはずという妄想。職業として特に憧れを持たず就職活動の一環として消防士になった人も一定数います。熱意の違い言い争いにならない様に気をつけましょう。
体力はそれなりに必要。あれば楽
消防士は体力必要と思われているけど、そこまで必要ありません。具体的にはランニング5kmを歩かずに完走できる程度で消防学校の初任科は乗り切れると思います。実際同期には懸垂が1回もできない人もいました。あれば楽なので体力をつけておく事をオススメはしますが。
勉強は継続する
どの職業でも同じだけど、就職したら勉強せずに過ごせるところはないと思います。特に人事異動などで全く違う仕事をするときなどは相当勉強しないと業務になりません。
理想の先輩を見つけない 見つけても盲信しない
理想の先輩が見つかっても、盲信しないこと。これは徹底してほしい。そんなに短時間で人間の本質など見抜けるはずがない。中には憧れすぎて持ち物の全てを真似したりするひとがいる。そんな理想な先輩とちょっとした事でトラブルになったり、その後、口を聞かなくなったなんていうこともある。ある程度俯瞰的に先輩と付き合いましょう。
グループに属するな。プライベートで関わるな。
職場の人と関わるなという意味ではありませんが、必要以上に関わるのはやめましょうの意。グループに属すると休みの日に海に行ったり、BBQをしたりと楽しいこともたくさんあるけど、断りづらくなったり、頻度が多すぎると自分の時間を確保できません。また引っ越しに動員されたりプライベートのお手伝いに動員されたりと面倒臭いことが出てきます。私の場合はグループには全く属せず、飲み会は送別会のみ参加する様にしています。
上司と揉めるな
少し経験を積んでくると、上司が法令的にも常識的にも間違っていることを言ってるなという場面に出くわすことがあります。その時にストレートに言って上司の気分を害してしまう人がいます。そう私のことです。上司は間違えたくて間違えているわけでなく彼なりの正義があってやっているので、助言に止めましょう。仮にその助言を聞いてもらえなくても、こちらには責任はありません。それぐらいの感覚で上司と付き合った方がいいでしょう。」
サビ残はある。自己研鑽という名のサビ残もある
公務員だから残業手当は全て出そうだけど、そんなことはありません。若手の訓練なんかは自己研鑽という名のもとに無給でやっているところも多いようです。仕事の日も深夜の休憩時間に事務仕事をすることも多々あります。民間ブラックよりはマシですが、公務員が残業手当が全て付くというのは妄想でそんな自治体はないでしょう。
民間ブラックよりは100倍楽。
以前、残業が月間200時間を超える会社に勤めていた経験があるから言える。理不尽なことや、体力的にきついことがあっても、民間のブラック企業より100倍楽ということ。憧れを持ってなりたくて消防士になった人は耐えろ。
まとめ
以上4月から消防士になる人への心構えを伝えてきましたが、乗り越えていくには「ドライにいきましょう」ということです。必要以上に他人に関わったり、温情をかけたりせずに自分は自分、他人は他人という感覚で。
もちろん災害現場では隊長、他の隊員と信頼を持って活動する必要があることは忘れてはいけません。
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